業務委託
業務委託とは、企業が自社の業務の一部または全部を、外部の専門家(個人事業主や法人)に委託する契約形態のことを指します。ITフリーランスにとって最も一般的な収入源であり、雇用関係(サラリーマン)とは異なり、労働時間の制約を受けず、自らの裁量で成果を出すことで報酬を得る「対等なビジネス」が基本となります。
【2025年版】請負契約と準委任契約の選び方
業務委託には大きく分けて2種類あり、ITフリーランスはその違いを深く理解していなければなりません。
1. 請負契約(成果物責任)
システム開発など、「完成させること」に報酬が支払われます。完成しない限り報酬は0円であり、納品後にバグが見つかれば「契約不適合責任」として無償改修が求められます。リスクは高いですが、効率的に終わらせれば高い利益率を狙えます。
2. 準委任契約(善管注意義務)
保守運用やPM補佐など、「一定の事務処理を行うこと」に報酬が支払われます。完成の義務はありませんが、プロとして期待される注意深さで働く義務(善管注意義務)があります。安定した収入を望む場合、多くのフリーランスがこちらをメインにしています。
- フリーランス新法への対応: 2024年11月以降、委託内容、報酬額、支払期日などを書面(メール・チャット含む)で明示させることが義務化されました。口約束は絶対に避けましょう。
- 著作権の帰属先: 成果物の著作権が「発注者の支払完了後に移転する」のか、それとも最初から発注者にあるのかを確認する必要があります。特にAI生成物の著作権については、最新の特約に注意が必要です。
- 偽装請負の回避: 契約は業務委託でも、実態としてクライアントから「具体的な作業指示(指揮命令)」を受けている場合、違法な「偽装請負」となります。自律的な動きを常に意識しましょう。
AI時代における業務委託の「変質」
AIツール(GitHub Copilot等)の普及により、従来の「人月単価(1人が1ヶ月動いたらいくら)」という概念が崩壊しつつあります。 「AIを使って3日で終わらせた」場合でも、1ヶ月分の価値(成果)を提供しているなら、どう価格設定すべきか。2025年以降、ITフリーランスは**「労働時間の提供」ではなく「価値の提供」**を軸とした報酬交渉へとシフトしていくことが、年収1000万円を超えるための境界線となります。
まとめ:契約書は「守りの盾」であり「攻めの武器」
業務委託は自由度が高い反面、すべてのリスクは自分に帰属します。契約実務を「面倒なこと」と捉えるのではなく、自分の専門性と価値を法的に担保し、不当な要求から身を守るための最強のツールとして活用しましょう。新法や税務(インボイス)への深い知識は、技術力以上にあなたの「プロフェッショナリズム」を証明する手段となります。
契約トラブルを防ぐための公的サイト
- 公正取引委員会:フリーランスとの取引に関する検討会
- 中小企業庁:インボイス制度のポイント
- 日本司法支援センター(法テラス): 万が一のトラブルの相談先。