フルリモート案件の割合が過去最高の68%に - 地方在住フリーランスの選択肢拡大
フルリモート案件が68%に到達
ITフリーランス向けマッチングプラットフォームを運営する大手企業の最新調査によると、2025年10月時点でのフルリモート可能な案件の割合が68%に達し、過去最高を記録したことが分かった。これは、2020年のコロナ禍直後の45%から23ポイントも上昇した数字であり、リモートワークが完全に定着したことを示している。
調査では、特に地方在住のフリーランスエンジニアにとって、選択肢が大幅に拡大していることが明らかになった。従来は首都圏の案件に参加するために上京する必要があったが、現在では地方在住のまま首都圏企業の高単価案件に参加できるケースが増えている。
地方在住でも高収入を実現
実際に、北海道在住のあるフリーランスエンジニア(35歳)は「以前は月1〜2回の出社が必須だったが、今は完全リモートで東京の大手企業のプロジェクトに参加している。生活コストが低い地方で高収入を得られるのは大きなメリット」と語る。
企業側にとっても、リモートワーク前提にすることで、全国から優秀な人材を確保できるメリットがある。ある企業の人事担当者は「地方には優秀なエンジニアが多いが、以前は通勤圏内という制約で採用できなかった。今は場所を問わずに最適な人材とマッチングできる」と話す。
コミュニケーション面での課題も
ただし、完全リモートにはコミュニケーション面での課題もある。特に、プロジェクトの初期段階や要件定義の段階では、対面でのやり取りが有効な場合もあるため、必要に応じて出社を求める企業も依然として存在する。
業界専門家は「フルリモートは今後もスタンダードであり続けるだろう。一方で、コミュニケーションスキルやセルフマネジメント能力など、リモート環境で成果を出すための能力がより重視されるようになる」と予測している。
今回の調査では、フルリモート案件の平均単価が通常案件と比較して若干低い傾向も確認されたが、その差は5%程度にとどまっており、実質的には大きな影響はないと見られている。
- 記事提供
- TechCrunch Japan
- 著者
- 鈴木 一郎
- 公開日
- 2025-11-07