ニュースの概要
リンク分析サービスのSpeedyIndexが、FiverrやKworkといった海外のフリーランス市場で購入した被リンク15,389件を追跡調査した。購入からおよそ1年後、Googleの検索インデックス(=検索結果に出せるよう保管された記録)に載っていたのは562件で、割合にして3.7%だった。同社は自社データによるケーススタディだと断っており、フリーランス市場全体を代表する数字ではない。それでも、SEOの業務を外部に頼む企業にとっては、納品された本数と実際に効く本数が大きく食い違う可能性を示す材料になる。
引用元: SpeedyIndex、フリーランス市場で購入された被リンクの検索登録率を調査(Newsfile Corp)
分析・見解
15,389件のうち562件という数字の読み方
被リンクとは、他のサイトから自社サイトへ張られるリンクのことだ。検索エンジンは、これを信頼の投票のように扱う。ただし、投票が数えられるには、リンクを載せたページ自体がGoogleに記録されている必要がある。記録されていないページから張られたリンクは、事実上、票として届かない可能性が高い。
今回の調査では、約96%のリンクがその条件を満たしていなかった。納品報告書には15,389本と書かれていても、検索の評価に関われる可能性があるのは562本だけだったことになる。
なぜ登録されないページが大量に生まれるのか
理由は複数考えられる。まず、安価な大量納品を前提にすると、中身の薄い自動生成ページや、他サイトの寄せ集めページが量産されやすい。Googleは、独自性の低いページを記録しない判断をすることがある。
次に、リンク元が使い捨てのサイトである場合だ。更新されず、他からも張られず、検索ロボットが巡回に来ない。巡回されなければ、記録もされない。
三つ目は、納品直後の見かけの数字だ。公開直後は存在していたページが、後から削除されたり、記録から外されたりする。1年後の追跡だからこそ見えた数字だと言える。
調査の限界を踏まえて、どこまで言えるか
注意すべき点もある。調査は同社独自のデータで、対象の選び方や、登録の確認方法の詳細は外から検証しにくい。さらに、同社は登録を促すサービスを売る立場にあり、数字が低いほど自社の価値は高く見える。この構図は割り引いて読むべきだ。
それでも、方向性自体は不自然ではない。以前から、格安のリンク販売は成果が出にくいと言われてきた。今回の価値は、その感覚に1つの具体的な数字を与えた点にある。3.7%という値を絶対視せず、ごく一部しか残らない業界だという目安として使うのが妥当だろう。
生成AIの普及が、この問題をさらに難しくする
ここ数年、文章の自動生成が安くなり、リンク元になる薄いページを大量に作るコストはほぼゼロに近づいた。供給は増えるが、検索側の選別も厳しくなる。結果として、量で稼ぐ手法ほど登録率は下がり、少数の実在する媒体に載せるリンクだけが価値を持つ、という二極化が進むと見ている。数を競う時代から、載った場所の質を問われる時代への移行である。
ビジネスへの影響
外注先の成果は本数でなく、登録の有無で測る
SEO業務を外部に依頼しているなら、報告書の被リンク本数だけで成果を判断しないほうがよい。契約時に、リンク元のURLを一覧で納品してもらうことを条件にする。そのうえで、納品の数か月後に、各URLがGoogleに登録されているかを抜き取りで確認する。検索窓にURLを入れる方法や、Googleサーチコンソールの検査機能で足りる。確認に1日もかからない。
安い見積もりが危険信号になる理由
1本あたり数十円という価格は、人が実在の媒体に載せる手間と釣り合わない。その価格が成立するのは、自動生成や使い捨てサイトを使っているからだ。極端な安さは、登録されにくいことの裏返しと考えたほうがよい。
さらに、不自然なリンクは検索側からスパム(=評価を操作する目的の行為)と見なされる危険もある。効かないだけでなく、評価を下げる側に働く恐れがある点は覚えておきたい。
限られた予算は、実在する媒体との関係づくりへ
同じ予算なら、業界団体、取引先、地域メディアなどに、事実に基づく紹介を載せてもらうほうが堅実だ。件数は少なくても、1本ずつ確実に記録され、読者も訪れる。自社の調査データや事例をまとめた資料を公開し、自然に引用される状態を作る方法も長続きする。まず現在の契約内容と、直近の納品リンクの登録状況を点検することから始めたい。